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「おかしい。明らかにお前の話はおかしい。今、話していたではないか。私の前で嘘をつくならば、お前の首をかっさばくぞ」
シャルアネット様は、怒りに震えているように見える。
怖すぎます。副長も怖すぎますが、負けず劣らずシャルアネット様は恐ろしい方です。
しかし……。
玉座のひじ掛けにまで垂れた艶のある紫色の長い髪。
艶やかな唇。まるで芸術品を彷彿とさせる細い体つき。
そして、玉座の背後で地面に突き刺さった数々の刀。
その妖艶な容姿は、私の視線の全てを奪うほどに美しい。
「どうした? 天草。答えよ。その首を私の気分で切り落とさぬうちにな」
あまりにも恐ろしい威圧感。
だが、それがいい。
「はい。間違いなく私の誤算です。ですが、ブラックスターに依頼を出したのは、シャルアネット様だったではないで……」
「天草。お前、私に口答えをする気か? 捨て犬のようなお前を拾ってやったのはどこの誰か答えてみよ」
「全ては私の責任です」
「なら、どうする?」
私は頭の中の脳ミソをフル回転させました。
答えは一つしかありません。
「運営委員会をぶっ潰します」
その言葉に、シャルアネット様は手を強く叩いた。
「それでいい」
ああ。私はシャルアネット様のこんな部分に心を引かれたのです。
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