528人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
シャルアネット様は玉座から立ち上がると、床に突き刺さった刀を手に取り抜きました。
胸元についた二つの果実が、小刻みに上下へ揺れます。
実に如何わしいですね。
私は全く興味がないので、一度しか見ませんでした。
「天草。早速、出かけるぞ」
どこへ出かけるつもりですか?
私が声に出さなくても、シャルアネット様はその続きを話してくれました。
「ブルーダイヤモンド、レッドキングダムにこちらから出向くんだ」
「何のために?」
「簡単なことだ。和平条約を結ぶ。そろそろ運営委員会と戦争をする手筈を整えないと、プレイヤー側が全滅する恐れがあるからな。ちょっとは考えろ。その脳ミソをミキサーにかけるぞ」
パフォーマンス力ハンパない。
でも失敗する確率は90%以上でしょう。
「和平条約なんて……これまで敵対していた関係が難しいんじゃないでしょうか?」
「お前は何のためにヘーラーを手に入れたんだ? 」
「まさか……」
「そのまさかだよ。行くぞ。天草」
シャルアネット様は颯爽と出口に向かう。
私は静かにその後を追いました。
最初のコメントを投稿しよう!