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─────渋谷和也─────
レッドキングダム総勢で、シンバさんの葬儀が終わった。
アンネさんは最後まで名残惜しそうに、シンバさんが入った棺を抱きしめていた。
シンバさんが亡くなったのは、レッドキングダムでも相当な衝撃が走り、国全体が大きく揺れて、不安に惑わされている。
未だに落ち着くことはないレッドキングダム。
「絶対に許さねえ」
アダムさんが、腰に携えた短剣の柄を強く握り締めながらそう言った。
「問題は誰に殺られたのかだよねー」
リリルさんの瞳には、復讐の炎が灯っている。
「まあ、だいたい答えはわかっているけどねー」
静かにそう呟いた。
その日から3日後。
元気になった仁、美沙、杏奈を合わせた俺たち四人は、リリルさんから宮殿に呼ばれてある命令を受けることになった。
「君たち春夏の四人に、ある場所へ行ってもらいたいんだー」
そう言いながら、机の上に一枚の紙を広げた。
それはレッドキングダムの領土を中心として書かれた世界地図だった。
リリルさんは赤色のマジックを取り出すと、矢印を書き込んでいく。
どこへ行ってきてほしいんだろ。
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