世界が変わる瞬間

16/18

528人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
それからしばらくして、話し合いが終わった後、俺は気になったことがあり、持ち歩いてる鞄の中からある物を探しだした。 鞄の中から取り出したのは、歪な形をした黒い色の鍵のような物。 これは、シンデレラクエストをクリアした際に、報酬品として手に入れた物だ。 まさか……。盗んでこいと言われたのは、この鍵のことじゃないよな? 仁は俺の行動に気がつき、そっと覗き込んでくる。 「やっぱりシンデレラクエストをクリアした時に手に入れた物は、黒い鍵だったよな」 仁は納得した様に頷く。 シンデレラクエストを管理していたのは、マリア・ジャネットだ。 そう考えると、この鍵が無関係だとは思えない。 「リリルさんが言ってるのは、この黒い鍵のことなのかな?」 俺の問いに、仁がいつもの考える仕草をしながら答えた。 「そればかりは何とも言えないな。結論を決めるには早すぎるから、もう少し様子を見た方がいいかもしれないな」 いつも慎重な仁に関心しながらも、俺が返事をしようとした時、光刀の声が心の中で響く。 『この船、狙われているぞ』 「──!」 その途端、船全体の空気が張り詰めた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

528人が本棚に入れています
本棚に追加