四人の絆

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新撰組屯所だ。 丸の内のビジネス街に建つ、江戸城のような風格を漂わせた異質な建物。 見間違うはずがなかった。 あれは、新撰組屯所だ。 脳裏に焼き付けられているかのように、今も鮮明に覚えている崩壊の姿。 「なんで……新撰組屯所があるのよ……」 美沙は唖然とした様子だった。 美沙だけじゃない、全員が言葉を失うほど新撰組屯所を見上げている。 まるで、これまでのことが夢だったかのように。 沈黙を破ったのは杏奈だった。 「冷静に考えれば、あれが本物であるはずがないわ。何かの能力かしら?」 それに対して、珍しく押し黙っていた仁が口を開く。 「まさか、タイムスリップする能力なんてないよな?」 「さすがにないと思うわ。神でもない限りね。第一にタイムスリップさせる意味がない」 杏奈の冷静な回答に仁が何度か頷く。 「そうだよな。ありえねえ。だけど、これが能力だとしたら、どんな意味があるんだ?」 確かに……。 答えは考えても見えなさそうだ。 「とりあえず新撰組屯所へ行ってみないか?」 仁の言葉に従い、全員で歩き出す。 あそこに何が……?
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