四人の絆

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近づく度に、戸惑いが大きくなっていく。 いくら見渡しても、他にプレイヤーがいる様子はない。 『不思議な能力だな。タイムスリップじゃないのだとしたら、脳に直接働きかけた能力か?』 光刀は、既にこれが能力により作られた世界だと決めつけているようだ。 「……」 もしも、本当にタイムスリップだとしたら、もう一人の俺たちがいるってことになるよな。 そして、その中には、はるかも……。 もう復讐はしないと心に決めている。 誰を恨んでいいのか、怒りを誰にぶつけていいのかわからなかったから……。 ふと気がつけば、新撰組の領土に差し掛かったところだった。 視線の先には、思わず足を止めてしまうほど懐かしい物が置かれている。 クエストボックスだ。 あれは新撰組に入るための試験として受けさせられた、逃げ惑う強き存在クエスト。 「──!」 さっきまで感じられなかった気配を察知する。 仁、杏奈、美沙も気がついたみたいだ。 クエストボックスからしばらく壁沿いに進んだ先、曲がり角の向こう側に気配を感じる。 多分、二人だ……。 俺たちは自然と息を潜めた。 「僕は間違っていないでしょうか……?」 この声は……。
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