474人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、私がその責任をとるために、姉さんを止めにきたんだ」
ジャネットはそのまま、そっとマリアの元に歩み寄り、優しく手を広げて包み込むように抱き寄せた。
すると、マリアの肩に顔を置いたジャネットの視線が俺たちに向いていることに気がついた。
「感謝しているぞ」
天草総長は、真剣な眼差しでジャネットを見ている。
俺たちに向けて言った言葉なのだろうか?
それを判断するのに数秒を要するほど、ジャネットらしくない発言だった。
直後。
パンッと渇いた銃声。
音の出所は、マリアの背中に当てられたジャネットのライフル銃だと理解する。
マリアの背中に広がっていく赤い染み。
染みはジワッと広がっていく。
「ジャネット!」
俺はそう叫んでから、ジャネットの元へ行こうとした。
足を踏み出そうとした時、横から手が伸びてくる。
見ると、天草総長だった。
「やめておいたほうがいいです」
「何故ですか!?」
「最後くらいは二人にしておいてあげたい」
天草総長は手を下げると、ジャネットたちに視線を戻した。
同時に、ジャネットとマリアは落ちるよう地面へ倒れた。
最初のコメントを投稿しよう!