474人が本棚に入れています
本棚に追加
─────マリア──────
私は四人兄弟です。
長女が私。その下に歳の近い長男、歳の離れた双子の次女、次男が続きます。
とっても仲の良い兄弟です。
父と母は仕事で忙しいので、下の子たちの面倒は私が見ています。
自分で言うのもなんですが、よくできた弟たちです。
両親が仕事で忙しくて寂しい思いをしていますが、文句一つ言いません。
そのおかげか、面倒はほとんど私が見ていましたが、苦痛に感じることなど一度もありませんでした。
それに、年の近い長男が私の手助けをしてくれています。
そんなある日、私はいつものように買い物へ行きました。
みんなの夜ご飯を買いにスーパーへ。
今日は双子たちの好きなハンバーグにしようと、材料をかごの中に入れました。
「お嬢ちゃん。お父さんとお母さんが何をしているか知っているかい?」
突然、知らないおじさんに話しかけられました。
上品な背広を着て、とても、冷たい目をした表情のない人です。
私は無視しようか一瞬だけ悩みましたが、意味深な言葉に堪えきれず反応してしまったんです。
「おじさん、誰?」
その男は、にやりと気味悪く笑いました。
最初のコメントを投稿しよう!