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茫然自失だった私は、その時から全て指示に従い行動をした。
弟と妹を生き返らせるために。
おじさんの言葉通り、私の両親はその会社で働いていた。
嘘ではなかったことに、心は囚われたようにおじさんの言葉の全てを信用する。
おじさんは言った。
私のことを信用しなければ、弟と妹は生き返らない。
はい。
疑ってはいけない。心の底から私を信用するんだ。
はい。
両親は、こんなことになってすまないと私に泣きながら頭を下げてきたが、何故謝ったのかが理解できない。
むしろ、私にはそんなことはどうでもよかった。
私は弟と妹を生き返らせる。
それだけを達成すればいい。
そうすれば、元の平穏な生活が戻ってくるのだ。
私が兄弟を守らずに、誰が守る。
お父さん、お母さんはお仕事で忙しいから、私がやらねばならないのだ。
最初の仕事。
暗い部屋の中。閉ざされた部屋の中で、私は椅子に縛られて身動きのできなくなった見知らぬ男の前に差し出された。
何故か全裸だ。
言うことを聞かなければ、皮膚を剥がすと脅された。
しかし、それは弟たちを生き返らせるための作業であるらしい。
私の行動が実験の結果に繋がるらしい。
「まず最初に、この人間を殺してくれ。こいつは悪い人間だ。君の弟と妹を引き殺した人間を我々は捕まえることに成功した」
はい。
頭に血がのぼった。
私は渡されたナイフで見知らぬ男を刺し殺した。
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