心臓の穴

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インジェクションを使って、次々に能力を得る私。 得た能力の精度を上げて、悪党たちに牙をむく。 そのうちに、私はプレイヤーたちから恐れられる存在となった。 私を見た瞬間、それまでの目の色を変えて恐怖する者もいる。 「助けて」 そう言われても、私は手を止めることはしなかった。 悪党なんだから。 躊躇いもなく、殺した。 世界の王は、そんな私を重宝してくれていた。 よくやった。 また、目的に一歩近づいた。 弟と妹を生き返らせるまで頑張れ。 その言葉だけが、私の心の支えだった。 私はそのために全てを犠牲にしたのだから。 プレイヤーをたくさん殺さなきゃ。 この頃になると、私は悪党を倒すことへ飽きを覚えてしまい、遊び心が生まれたのかもしれない。 このプレイヤーはけっこう強いな。 でも、こういうところが弱い。 まだまだ。こいつは生きる価値がない。 そのうち、私はプレイヤーたちを採点して遊ぶようになっていたんだ。 弟と妹を生き返らせるまで、退屈だから遊んでしまおう。 皮肉にも、私はどんどん強くなった。 そして、世界の王補佐の席まで登りつめたんだ。
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