474人が本棚に入れています
本棚に追加
インジェクションを使って、次々に能力を得る私。
得た能力の精度を上げて、悪党たちに牙をむく。
そのうちに、私はプレイヤーたちから恐れられる存在となった。
私を見た瞬間、それまでの目の色を変えて恐怖する者もいる。
「助けて」
そう言われても、私は手を止めることはしなかった。
悪党なんだから。
躊躇いもなく、殺した。
世界の王は、そんな私を重宝してくれていた。
よくやった。
また、目的に一歩近づいた。
弟と妹を生き返らせるまで頑張れ。
その言葉だけが、私の心の支えだった。
私はそのために全てを犠牲にしたのだから。
プレイヤーをたくさん殺さなきゃ。
この頃になると、私は悪党を倒すことへ飽きを覚えてしまい、遊び心が生まれたのかもしれない。
このプレイヤーはけっこう強いな。
でも、こういうところが弱い。
まだまだ。こいつは生きる価値がない。
そのうち、私はプレイヤーたちを採点して遊ぶようになっていたんだ。
弟と妹を生き返らせるまで、退屈だから遊んでしまおう。
皮肉にも、私はどんどん強くなった。
そして、世界の王補佐の席まで登りつめたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!