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100メートルほど先で待ち構えるように建つ、お城の形をした新撰組屯所。
あとは真っ直ぐ走るだけだ。
「きゃあああ!」
後ろの方から聞こえてくる杏奈の悲鳴。
「くっ」
俺は歯を食い縛りながら、足を動かした。
「新撰組屯所に何があるのよ!」
前方を走っていた美沙に追いついた時、隣で息を切らしながら言い放った。
「あれがメインストーリーシステムの核の可能性が高い」
「そうなの!?」
「一か八かだけだな」
美沙が走りながら後ろを確認した。
「来た」
新撰組屯所まで残り30メートルほど。
ついに、入口が見えてくる。
どうすればいい。
巨大な新撰組屯所は、全てを破壊しなければいけないのだとしたら、ある程度の時間を要する。
そんなことを考えながら、俺は美沙の視線を追った。
数十メートル後方で、三つの上半身を持つマリアが宙に浮かびながらあとを追ってきている。
『あと2秒ほどで追いつかれるぞ』
美沙は新撰組屯所に向けて、フードガンを構えた。
「やるしかないでしょ!」
フードガンからは、勢いよく巨大な岩が何発も放たれた。
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