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その直後、俺たちの頭上を越えていく、数本の雷撃。
龍の如く空を泳ぐと、美沙が放った数発の岩へ正確に直撃した。
巨大な岩たちは、新撰組屯所へ当たる前に、粉々に打ち砕かれる。
「くっ! 美沙!」
間を空けずに、中央のマリアから放たれる炎の渦。
美沙に向かって、それは躊躇いもなく放たれた。
すぐに地を蹴り、美沙を抱き締めて地面に倒れこむ。
美沙が立っていた位置を、炎の渦が通過した。
炎は新撰組屯所に届きそうになると、蒸発したように消失していく。
「大丈夫か!? 美沙。立て! 次の攻撃が来るぞ!」
視界に映るマリアは、次なる攻撃のために体内エネルギーを放出しながら準備を整えている。
能力を使った直後なら、若干、時間がかかるのか。
それでも3秒程度の話。
この威力の能力を、何発も連続で放ってくること自体が化物だ。
『しかし、これではっきりしたな。奴は、新撰組屯所に攻撃されることを明らかに阻止しようとしてきている。君らへの攻撃は後回しにしてな』
ああ。
『いくぞ。もう一度、アルティメットブレイクだ』
大丈夫か?
『出し惜しみすれば、切り札の意味がない。やるなら、今だ』
光刀に言われ、俺はアルティメットブレイクを発動させた。
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