心臓の穴

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ドクンッと鼓動が大きく波を打つと、全身を囲うように球体が姿を現す。 マリアは、その場で静かに佇まいながら口を開いた。 「メインストーリーシステムの仕組みに気がつくとは。なかなか聡明。しかし、わらわの手からは逃れられぬ」 ジャネットはどうしたんだ? やられたのか……。 あまりにも絶望的な状況。 敵のレベルは10万以上。 あまりにも強大な力を持つマリアに、全身が戦うことを拒んでいるような気がした。 全身を支配する緊張感。 そして、嫌な汗。 「その首、今、わらわがもぎとってやろう」 『大丈夫だ。まだ勝機はある』 どうやって!! 『終の型だ。この状態ならば、一度は奴の動きを止められるはずだ。信じろ。やるしかない』 俺はマリアと対峙しながら、近くにいる美沙にしか聞こえないほど声の大きさを絞り、話しかけた。 「美沙。もう一度、フードガンで新撰組屯所を攻撃してくれ。一瞬だけど、俺が時間を作り出す」 その言葉に対して、美沙は黙ったまま頷いた。 俺は光刀を構えた。 アルティメットブレイクを警戒しているのか、マリアからはなかなか動き出さない。 いける。
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