心臓の穴

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視線をマリアに戻すと、両手で頭を抱えて苦しんでいた。 効いてる……! 外傷がないところを見ると、内部からの痛みなのか? 『あの体ですらマリアの中の一部分なら、そうなのかもしれないな』 美沙の攻撃によって、損壊を負った新撰組屯所だが、それでも一部分が崩れ去ったに過ぎない。 美沙は続けざまに、フードガンで巨大な岩を数発も放つ。 アルティメットブレイクが解けたが、俺も光刀に命力を込めて閃光を放った。 新撰組屯所がさらに損壊し、激しく粉塵が舞う。 一階部分の半分ほどが壊れて、そこら中に瓦礫が散乱した。 「ぎゃあああああ゛ああああ」 マリアは、ついには苦しみに悶えて、地面を這いつくばりながらのた打ち回る。 あと一息だ……。 俺はそんな光景を目の当たりにしながら、光刀に命力を込めた。 美沙も、再び攻撃を行う体勢に入る。 「最後の力です」 頭上から聞こえてくる聞き覚えのある声。 見上げると、新撰組屯所の真上辺りで天草総長が滞空していた。 「これなら今の私にも手伝うことができます。むしろ、最適の能力がある。随分前の戦いの中で生み出した能力ですが……」 天草総長は、手を翳した。 「ブラックロック」 空から、真っ黒で巨大な岩が降り注ぐ。
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