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天草総長が放った黒い岩は、新撰組屯所の真上から落下した。
岩は屯所に食い込むように直撃すると、凄まじい音を立てながら突き破っていく。
その破壊音と共鳴するように、マリアの悲鳴が響き渡った。
「ブラックロックは決して砕けない、かたい意志を込めて作り出した能力です。人の作り出した機械に負けることはありえません」
新撰組屯所全体に、次々と亀裂が走っていく。
「この屯所は偽物ですからね。戻ることは二度とありません」
一階まで落下すると、屯所は大きく揺れ動き始めた。
「わらわが守るのはシステム……。わらわが守るのはブラックアウト……。わらわが手に入れるのは世界の秩序……。わらわが戦う理由は……」
うめき声をあげながら、マリアは同じような言葉をぶつぶつと呟いている。
「わらわがブラックアウトを始めた理由は? わらわが守らなければいけないのはシステム……。わらわが手に入れたいのは……何?」
『もう一息だ!』
これなら……!
俺は光刀に、全ての体内エネルギーを注ぎ込んだ。
今度こそ。
白煙が刀身に密集して、光を作り出す。
俺は光刀を振り下ろし、閃光を解き放った。
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