交渉、強制、意思

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振った斧の先で、地面が直線上に大きく抉れる。 あんな攻撃……。一撃でも受けたら、神刀を持つヒカルでさえもただじゃすまないんじゃないだろうか? 全身に走る寒気。指先が小刻みに震えた。 間一髪のところで、避けたヒカルだったが危険を乗り越えたわけじゃない。 むしろ、空中では無防備な状態となるため、かえって隙だらけになったと言える。 リリルの持っている斧が、煙のように消失した。 ヒカルの方を見上げて、ニヤリと意味深な笑みを浮かべる。 「暗黒の3番」 リリルは、こうなることを狙っていた……? 次に現れたのは、巨大な黒い弓。 もう片方の手には、弓矢が何本も現れる。 リリルは、直ぐ様、ヒカルを狙い弓を構えた。 「バッドエンドだねー」 放たれた弓矢は、鳥が羽ばたくように勢いよく飛び出していく。 間を空けずに、次々と弓矢が放たれた。 「なめんな」 ヒカルはその瞬間、能力を発動させて、足元にブラックスターを出現させた。 弓矢の群を、黒い星に乗って回避する。 駄目だ……! この流れが詰みになることは、私でさえも考えが浮かんだ。 リリルは案の定、さっきまで弓を放っていた位置にはいない。 ヒカルが避けた先で、リリルは宙に浮かびながら、暗黒の2番と呼んだ斧を構えていた。
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