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「ちょっと見せてー」
リリルさんに渡すと、じっと眺めながらこう言った。
「うんー。間違いなく、“過去の鍵”だねー。ありがとうー」
「過去の鍵……ですか?」
俺が訊くと、今度は仁が口を開いた。
「その鍵はよっぽど重要な物みたいですね」
リリルさんは、ニッコリと微笑みながら答える。
「そうだよー。例えるなら、ゲームを完全クリアするために必要なアイテムみたいな物だよ。そろそろ君たちにも、色々と説明する必要がありそうだね」
懐に鍵を仕舞うと、リリルさんは立派な玉座に、もう一度深く座り直してから口を開いた。
「何から説明すればいいかなー。そうだなあ。この鍵が何故必要なのかを話しておこうかな。君たちは大きな木に見に覚えはない?」
すぐに仁が答えた。
「もしかして、木の形をした巨大な機械ですか?」
リリルさんは、ちょっと驚いた表情をして返事をした。
「そう! よく知ってるねー!」
美沙も驚いた顔で仁に訊く。
「どうして知ってんのー?」
すると、杏奈が淡々とした様子で言った。
「シンデレラクエストの時に見た絵のことね」
仁が俺と美沙を見ながら、説明を付け加える。
「覚えてないか? シンデレラの家の食堂に三枚の絵が飾られていただろ?」
その言葉で、ようやく俺は思い出した。
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