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「終末の木を使えば、人類は完全に一部の者に管理されることになる。言わば、奴隷だね。この兵器の使用を止めるために、ずっと戦い続けているんだ」
話を聞き終えた仁が、すぐに口を開いた。
「それならどうして運営はプレイヤーなんて作って、わざわざゲームみたいな設定にしたんですか?」
頭の良い仁らしい質問だ。
確かに言われてみると、そんな気がする。
人類を管理するためにその兵器を作り出したならば、わざわざゲーム性である必要はないし、あまりにも回りくどい気がする。
「三大兵器の使用を間近で見たことはあるよねー?」
俺たちは同時に頷いた。
「それぞれの兵器は、威力がありながらも大量の体内エネルギーを消耗する。終末の木もそれと同じで大量の体内エネルギーが必要なんだ」
リリルさんは、人差し指を立てて淡々と言う。
「三大兵器を全力で使う際の体内エネルギーの量を1とするならば、終末の木はその10億倍」
「10億!?」
美沙が口を押さえながら驚く。
「一体、そんなエネルギーをどうやって……?」
さすがに杏奈も戸惑った様子でそう言った。
すると、仁が表情を変えずに話した。
「そうか。死んだプレイヤーの体内エネルギーか」
リリルさんは、正解と楽しそうに呟いた。
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