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「ブラックアウトの死んだプレイヤーたちは、最大限に体内エネルギーを引き出した状態にして、全て終末の木へ運ばれるんだー。そうすることによって、養分を蓄えていく」
今度は仁が頷きながら、口を開いた。
「なるほどな。だから、メインストーリーの入口が三途の川なのか」
ああ。妙に納得できた気がする。
プレイヤーを増やすための強制紹介制度も、おそらくこの為にあるんだろう。
リリルさんは、プレイヤーがいる理由はそれだけじゃないんだけど、今は長くなるからと言ってから、もう一度終末の木の話に戻した。
「この終末の木は、爆弾と同じような物なんだー。エネルギーが溜まれば、爆発する。それが世界を変える瞬間なんだ。この爆弾を解除するのには、いくつかの作業が必要なんだよー。そのうちの一番最初が三本の黒い鍵。だから、決戦までにあと二本集めなくちゃいけない」
世界を変えるほどの爆弾の解除か……。
「そこで君たちに、残り二本の鍵の回収をお願いしたいんだー」
にっこりと笑うリリルさん。
「大丈夫ー。今度はマリアほどの危険はないと思うからー。これでも期待してるんだよー」
しかし、俺たちを見る眼差しは真剣そのものだった。
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