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遠くに見える小さな光。
吸い込まれるように、その場所へ近づいていく。
クエストのクリア方法は？
特に表示はされなかった。
今、見せられた映像だけじゃ何もわからない……。
王族？
魔法？
まるで、インジェクションみたいだ。
能力が、一部の人間しか持っていないと言う話も似ている。
世界樹……。
それと似た物はブラックアウトの世界にはない。
崇めている物なんてないし……。
頭の中で、終末の木の言葉が過る。
光が目の前に広がると、足裏から感触が伝わってきて、どこかに立ったことがわかった。
霞んでいた視界が徐々に定まっていく。
せせらぎが聞こえてきた。
目の前を見ると、小さな川が流れている。
足元を見ると、綺麗な芝生が広がっていた。
「始まったみたいだな」
隣を見ると、仁が俺と同じ様に川を見ていた。
「あれ？」
俺は異変に気がつき、すぐに周りを見渡した。
周囲には、美しい芝生と小川。
仁以外、誰もいない。
これがおかしいのだ。
「美沙と杏奈は？」
俺の言葉に、仁は首を横に振った。
「多分、別の場所だろう。探すしかないな」
そう言いながら、仁は何かを指差した。
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