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その先には、頭の中で見たウィザード王国が構えていた。
小さな国と言うわりには、丘の上に建つ城はまだ遠い距離にも関わらず、大きく見える。
そのすぐ隣には、ビルのように太く、雲を突き破るほどの高さをした世界樹と呼ばれた大木。
あまりにも高すぎて、天辺が見えない。
スカイツリーとどっちが高いんだろうか?
そんな事を考えていると、仁が歩き出しながら口を開いた。
「今回のクエストのクリア方法って何だろうな」
「それ、俺も思ってたんだよ」
「案外、王女様を救出しろなんてことかもしれないぞ。そうなったら、相手は魔法使いだろうから厄介だな」
気楽な仁を見ていると、いつの間にか俺も心が安心している。
美沙と杏奈もクエストを始めたはずだし……。
すぐに合流できるだろう。
「────!」
頭の中で、何かが侵入してくる独特の感じが漂う。
再びメッセージか?
仁にも同じような事が起きているのか、足を止めていた。
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【覚悟】
本当にこの先に進みますか?
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