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しばらく歩くと、ウィザード王国の入口らしき門が見えてきた。
外敵から守るために作られたであろう、高い壁に囲まれたウィザード王国。
その壁の高さに対して、門の大きさは違和感があるほど小さかった。
おそらく、シンデレラクエストで見た馬車が通り抜けられるほど。
何で、あんなに小さいのだろうか?
高い壁なんだから、もっと大きくすればいいのに……。
門の前には、門番らしき人間が二人ほど立っていた。
二人とも槍を持ち、人形のようにじっと構えている。
前にもこんなことがあったな。
美沙と杏奈は、どこにいるんだろうか?
既にウィザード王国の中かもしれない。
光刀。二人の体内エネルギーは感じるか?
『いや、感じないな。しかし、把握できない範囲なのかもしれない。可能性が高いのは国の中だと思うが……』
やっぱり国の中だよな……。
「どうする?」
俺がそう訊くと、仁はしばらく考える素振りをしてからこう答えた。
「美沙と杏奈が国の中に居るんだとしたら、あまり手荒なまねはしないほうがいいな。とりあえず、あの二人に話しかけてみるか。いずれにしろ、中に入らなきゃ何も情報が手に入らない」
「そうだな」
俺が頷くと、再び門に向かって歩き出す。
近づいていくと、門番らしき二人は槍を構え、こっちの様子を窺っていた。
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