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このクエストでは能力を魔法というみたいだけど、相手はどんな能力を使ってくるんだ……。
それに……隠し子ってことは、クエストの冒頭で説明していた魔法の力が町の住民に渡らないようにってことが破綻しているのか。
もしかしたら、町の住民はこの子を育てることに全てを懸けたのかもしれない。
そんなことを勝手に考えていた。
女は、ここからが本題と言った感じで、俺たちを見て話した。
「単刀直入に言うと、あなたたちに反乱軍に入ってほしいの。見たところ、相当な実力者みたいだし。その代わりに、生贄にされるあなた達の友達は全力で救出することを約束する」
女は、一息ついてから付け加えるように言った。
「ただ……既に私の話を聞いてしまったわけだし、黙って帰らせるわけにはいかないから断る場合は、それなりの対処をさせてもらうわ」
それなりの対処か……。
『強引に連れてきて、勝手に話したのに随分と強制的だな』
その言葉で、光刀も呆れていた。
「反乱軍の作戦は?」
仁はこの状況に臆することなく、女に訊く。
「返事が先。主導権は私にあることを覚えといて」
艶やかな赤い色をした長い髪。
印象的な碧眼は、強気な性格が表れていた。
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