513人が本棚に入れています
本棚に追加
反乱軍のメンバーは、聞いていた通り、空洞に納まりきらないほど大勢いた。
むせるような熱気がこもる中、俺と仁はミルクが立つ場所から一番遠い場所にポジションを取って、その圧倒的な光景を見ていた。
大勢の男たちに囲まれた中央の台に立つミルクは、やはり風格は一国の王にも劣らぬほどの雰囲気を持っている。
『クエストの登場人物という設定だろうが、けっこう強い奴らばかりだぞ』
光刀の言う通り、ミルクを囲う大勢の男たちの実力は、ひとめ見ればわかるほどの猛者ばかりだった。
仁はその光景を見ながら、いつも通り冷静な振る舞いで口を開いた。
「街の住民と聞いていたから、正直もうちょっと頼りない人たちだと思っていたけど、けっこう強そうな人ばかりじゃないか」
「ああ。これなら、もしかして勝てるかもしれないな」
敵の強さはまだ見てないけど、これほどの戦力なら勝てるだろうと踏めるほど、見ているだけで自信が湧いてきた。
中央に立つミルクは、男たちの熱気に負けない力強い声でこう言った。
「今宵、我々が自由を手にする時がやってきた! 崇める存在の世界樹を我々の元に! 討つのは二人の王の首! 我々がこの手で時代を変えるのだ!」
ミルクの言葉に反応する男たちは、これまでで一番の歓声を上げた。
もうすぐパレードが始まる……。
最初のコメントを投稿しよう!