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一瞬の出来事だった。
沖田が座る場所より後ろで、爆風が吹き荒れて土方さんが凄まじい勢いで飛ばされていく。
その風により、土方さんはまるで無数の刃で切られたかのように斬りつけられる。
誰かによる能力。
新たな敵の襲来か?
状況を把握する前に、既に戦闘態勢に入っていた天草総長。
しかし、先に動いていたのは俺の横に居た和也だった。
和也は地を蹴ると、そのまま高く跳び、光刀を構えながら何かに向かって斬りかかる。
その直後に和也が振った光刀からは高い金属音が奏でられた。
敵の動きを止められたおかげか、その黒い影の正体が判明する。
和也の攻撃を受け止めたのは、赤いドレスを着た女だった。
女は足を高く上げて、自分の履いているハイヒールで和也の刃を受け止めている。
「んもう。いきなり乱暴ねえ」
和也の刃を華麗に弾くと、女は沖田の方を振り返って口を開いた。
「もうー。いきなり“あれ”を連れて、どっかに行っちゃうから追ってきちゃったじゃなあい」
沖田は膝を地から離して、ゆっくりと立ち上がった。
「助かったよ。アニーさん」
まさか、増援……?
アニーと呼ばれた女からは、刃のように鋭い体内エネルギーが溢れている。
「予定通り、ブルーダイヤモンドは壊滅させたわぁん」
そう言いながら、女はタバコを取り出して火を点けた。
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