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「その瞳は魔法を使用できる王族の証パン! 王族以外は絶対に持つことが許されぬ物パンよ!」
アッサムはミルクの瞳に対して、異常なまでにうろたえていた。
「そうね。はっきり言うわ。私は先代の王の隠し子よ。この街で生まれ育ったれっきとした持ち主なの」
「そ、そんなはずないパン。そんなことを王族の人間がするはずないパン」
ミルクは深く腰を落として、腕を大きく引いて持っている槍を構えた。
「偽物かどうかは、あんたの目で確かめなさい」
瞬時に身構えるアッサムだったが、その時にはミルクの手から槍は放たれていた。
目で追えないほど、槍が放たれるまでのモーションは異常なまでに速かった。
ミルクが立つ位置で目映い光が広がると、槍は線を描くように一直線に進んだ。
一瞬にして、槍はアッサムの腹部を貫通する。
「ぎゃあああぁああぁ!」
アッサムの醜い悲鳴が空に向かって響き渡る。
その破壊力は、見ているこっちが唖然とするほどだった。
胴体を切り裂くほど、まるで岩を破壊するようにアッサムの体を削った槍。
貫通すると、そのままさらに直線に進み続けて、しばらくすると微かな光となって消え失せた。
切り裂かれたアッサムは、地面に崩れ落ちていく。
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