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地に落下してくる二つの粘土。
また、槍でアッサムの体を貫いたのか。
ミルクが行動を読めているのはハッタリじゃない。
能力を発動するまでのスピードと、その次の動きがミルクの最大の武器。
流れを見ただけでも、はっきりとわかる。
アッサムより、ミルクの方が圧倒的に格上だ。
俺は、こんなにも切羽詰った戦闘中にも関わらず、強烈な違和感を覚えた。
アッサムにしても、ミルクにしても、あくまでもこれらはクエストの登場人物だ。
俺らは一つのクエストという作り出された世界のゲームに挑戦しているにすぎない。
こんな人物を、運営委員会側は簡単に作り出すことができるってことなのか?
リリルさんや天草総長、そしてマリアよりも能力に長けた人物を作り出せる。
それが、もっとも恐ろしいことだ。
これらの人物は何のために存在しているんだ?
もし、登場人物をクエストの外に出すことができるならどうなる?
全てが同じフィールドとなっているブラックアウトなら、それは可能なはずだ。
「戦闘中に考えごと? 今は余計なことを考えないほうがいいよ。自分の命が惜しいならね」
ミルクは手に持つ槍を構えながらそう言った。
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