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俺が爪を構えて、アッサムの気配を探ろうとした時、ミルクは既に動いていた。
ミルクが居た場所から、僅か数メートルの距離に現れるアッサム。
その時には、ミルクがアッサムの頭上で華麗に槍を構えていた。
次の瞬間、まるで落雷のように、槍がアッサムの頭上から貫く。
完全にアッサムはミルクの攻撃に反応できていなかった。
頭から真っ二つに割られるアッサム。
またしても、粘土となり、姿を眩ます。
同じことを繰り返しているようだが、着実にアッサムの体内エネルギーは減っていた。
俺が見ても、それは明らか。
「――――!」
これまでは粘土になってから再び姿を現すまで数秒ほど時間を要していたはずが、今度は着地したミルクのすぐ背後にアッサムが居た。
着地した瞬間と言ってもいいほど、まさにバランスを整えている時だった。
「あんたが現れる場所はわかってるのよ!」
ミルクは振り返りながら、すぐに槍を振り回そうとする。
よし!
アッサムが何らかの能力を放つより、ミルクの動きの方が圧倒的に早い。
と、安心した瞬間だった。
ミルクの攻撃がアッサムに直撃する寸前、俺は目を疑った。
銃で撃たれたように、ミルクの腹部を何かが貫通する。
途端に舞う血しぶき。
攻撃をしたのはアッサムじゃない!
ミルクは、バランスを大きく崩してアッサムの目の前で転ぶように倒れた。
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