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「じゃあなー。また明日」
「おうー。また明日ー」
住宅街の細い交差点でオレ達は別れた。
お気に入りの傘を振り回しながら家までの道を歩く。
「――ひゃあっ!?」
「!?」
突然背後から悲鳴が聞こえた。
振り返ると、自転車に乗ったオバサンが驚いた顔をしてオレのことを見ていた。
…………驚いた顔は、段々と怒った顔に変わっていく。
「危ないじゃないの! 傘を振り回さないで! ケガしたらどうするの!?」
「あ……すみません」
「その傘、先が尖ってるわね。もし誰かの体に刺さったら責任取るのはあなたのお父さんお母さんなんだからね?」
「はい……」
「もう振り回さないのよ!」
「はい……」
説教が終わると、オバサンは自転車を漕いで通り過ぎていった。
「うぜー……」
小さくなるオバサンの背中を見ながらぼそっと呟いた。
でも、また怒られるのは嫌だから傘を振り回すのはやめることにする。
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