0、まだ交際の幸せに浸る、お昼

6/19
前へ
/20ページ
次へ
「あっ、噂をすれば宇佐見さん!」 大原さんが小声で、だけれども興奮気味に声を出す。 その視線の先には確かに〝宇佐見さん”がいて、トレーを持って空いている席がないか探しているみたい。 そんな彼に、 「ここ、空いてますよ~」 なんて、大原さんが手を挙げて声をかけたものだから、 (う~…っ……!) ますます動揺しちゃう。 そして、 「あ、じゃあ、いいですか?」 「どうぞ、どうぞ」 まさかの相席状態っ! トレーを置いて斜め向かいに座る宇佐見さんをチラッと見る。 と、 (あ……っ) 目が合った。 私は慌てて逸らして、あともう一息で完食の肉うどんに箸をつける。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

218人が本棚に入れています
本棚に追加