0、まだ交際の幸せに浸る、お昼

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と、次は、 「あの、」 宇佐見さんが私達に向かって口を開く。 それにもまたドキッ、としちゃう。 「今、食堂の人にデザートプリンをサービスで貰ったんですけど、俺、甘いものってそんなに食べなくて、一つだけで申し訳ないんですけど良かったら食べてくれませんか?」 何だろうって緊張しちゃったけど、どうやらサービスでくれたプリンを食べれないのでどうぞ、って事らしい。 「せっかくだけど私はもうお腹いっぱい」 と、上原主任。 で、大原さんは、 「私もちょっとダイエット中で―…そう言えば高垣さん、食堂のプリン、手作りで好きって言ってませんでした?」 と私に振ってくる。 「じゃあ、高垣さん―…どうぞ」 「ありがとう……ございます……」 宇佐見さんがプリンを差し出してくれて、受け取ろうとした瞬間、 「……っ」 微かに手が触れて、自分の頬が熱くなったのが分かった。
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