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「犯人は貴方ですね」
唐突すぎることに、女子生徒は本を読む視線を上げて、こちらをみた。
焦りや動揺もなく、まだ澄ました顔をしている。
「え? どうしたんですか急に?」
「貴方は、C先輩に近づいて、D後輩の情報を吹聴した」
「……」
「そのことを聞いたF教頭は、罪悪感を感じて、Gさんの経営する八百屋を尋ねた」
「そこまで調べたんだ」
「大変だったよ。まさかH俳優とI王妃の秘密を隠れ蓑に、J議員の陰謀が進行していたなんて」
そこまで話すと、彼女は観念したようで、開いていた本を閉じて鞄に仕舞い立ち上がった。
「君がここに来たってことは、プールの授業は阻止できたみたいね」
微笑んで、時刻通りにやって来たバスを二人で見送った。
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