列車を待ちながら

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   到着ベルが鳴った。  俺とずっと話していたお婆さんが、やっと来た列車へ歩いていく。  待合室の隅で本を広げていたAが、顔を上げた。 「……バレてないかな」 「ん?」 「僕、ちゃんと女子高生に見えてる?」 「女子高生かどうかはさておき、十分に女子だ」  胸は作りすぎだが。  だいたい、出かけるのに何でセーラー服なんだ。 「あは。良かった。きみが制服のほうが好きって言うから」 「……そういうのもアリだなって言っただけだ」 「そうかな?。  ……うん、でもいいや。ここ誰も来ないから」 「あと1時間は、列車来ないな」 「……きみと、色んなことして遊べるね」  はにかみながら笑うAは、同じ男とは思えない可愛さで。 「……やっば。可愛すぎだろお前」  後は想像にお任せする。  
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