第1章

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B「……ねえ、何で君は目が見えなくなってからも そうして本を読み続けるの?」 A「だって私、本が大好きだから」 B「大好きだからって、何も見えなきゃ本を読んでる意味なんかないじゃない」 A「意味はあるよ……ちょっとシワがついてるツルツルのカバー、ページの少しザラついた手触り、古本独特の匂い……文字が見えなくても、これらが私を物語に引き込んでくれる。目が見えていた頃と同じように“読書”をしているという気持ちになれる。それに この本、内容 暗記してるし」 B「……君は変わりものだよね。盲目になってからも眼鏡をかけたり、本を読んだり……アタシには よく分からないなあ」 A「分からなくてもいいよ。これは私だけの気持ちだから。周りが何て言おうとも、本の手触りを、読書の楽しさを忘れたくない……だから私は読み続ける」
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