北斗星

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「お嬢さん、もうじき北斗星が到着しますよ」 駅長さんは少女に告げた。 「ありがとう、後2分有ります」 少女は時刻表を眺めながら、最後の瞬間を迎えようとしていた。 少しでも長く、北斗星を私の心にぬくもりを与えて下さいと思っている。 北国の田舎で育った少女の耳に、北斗星が到着するチャイムが聞こえた。 「ブルートレイン…北斗星まもなく到着します。」 少女はゆっくりと立ち上がり、ホームに向かい歩きだす。 けして乗ることが無いブルートレイン…北斗星に
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加