第1章

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A「こんにちわ、今日はどちらまで?」 B「今日は西の方へ」 A「そうですか」 B「・・・・・・・・・」 A「・・・・・・・・・」 B「・・・・・・あの、あなたはどちらまで行かれるんですか?」 A「それを聞いてどうするんですか?」 B「えっ、特にどうもしませんが?」 A「では教えません」 B「は、はぁ・・・」 A「・・・・・・私は4時32分の電車に乗ります」 B(えーっ、結局答えるんだ) A「何か釈然としないようですね?」 B「えっ?ええ、まあ釈然とはしないですね」 A「やはりですか、薄々感づいていました。こう見えて私、空気の読める女ですから」 B「意味が分かりませんよ」 A「分かりませんか?私はあなたの空気を読んだの。あなたが私の行き先を知りたいという空気をね」 B「たった数十秒の間にですか?」 A「ええ、何せ私、文学少女ですから」 B「・・・・・・・・・」 A「やはり釈然としないようですね」 B「ええ、釈然としないですね」 A「なぜあなたは釈然としないのですか?」 B「まず空気を読む事と文学少女に何の関係が?それに別に僕はあなたの行き先を知りたい訳じゃなかったのですが・・・・・・」 A「そうですね、空気を読むという事がどう文学少女に関係するのか・・・・・・待って、後半行き先を知りたい訳じゃないとはどういう事?」 B「そのままの意味ですが」 A「えっ、なんで?じゃあなんで行き先を聞いたの?行き先を聞いて私の後をつけて「いやー奇遇ですね、またお会いするなんて。良かったら食事でもご一緒しませんか?」とか言って近づき、あわよくば食事後に美少女文学少女であるこの私を美味しくいただくかゲヘヘヘ・・・、って算段だったのでは無いと言うの!」 B「凄い想像力だな!そんな事考えてもなかったですよ!つうか結構図太いなあんた!」 A「ば、馬鹿な・・・、私が空気を読み違えたとゆうのっ・・・?」 B「むしろ何故それが正しいと思ったし」 A「だ、だって!男は狼なのよ気をつけなさいって言うじゃない!」 B「偏見すぎる!」 A「じゃ、じゃあなんで私の行き先を聞いたのよ!」 B「沈黙に耐えかねてだよ!」 A「へ?」 B「気まずかったから、とりあえず何か話題を振ってみただけです」
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