あーん

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夕食のメニューはカレーだったんだけど、隣りに座る龍一に向けて、スプーンを、 「はい、あーんして」 って差し出してみた。 龍一は、少しだけこめかみを動かして、 「俺に介護は必要ないが」 と冷静に言う。 「そんなんじゃないよ。たまにはいいじゃん」 言い返したら、 「お義父さんの前だぞ」 向かいに座っているパパにチロリと視線を流す。 パパは、  ――ビクッ―― とすくみ上がった。
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