あーん

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それでパパに、 「そんなの気にしないよねー」 って言ったら、 「ごめん。すぐに席を外すから」 って、食べかけのカレー皿を持って、椅子を立っちゃった。 そそくさと行ってしまうパパを見送って龍一は、 「じゃあ続けようか」 と悠然と笑う。 ……なんか違う。 思った反応と全然違う結果に、つい膨れ上がったら、 「お前は何がしたいんだ」 龍一は呆れたように言って、パクパクと大口で皿のカレーを食べ終えちゃった。 お皿を流しに片付けつつ、 「話を聞こうか。ゆっくりと二階でな」 そう言って私を振り返る笑みが、何ともいえず色っぽくて……。 思わず、スプーンを取り落としました。
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