悪くない最期

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悪くない最期

美百合が淹れてくれた紅茶のカップを口元に運び、クンと香りを嗅いだ瞬間、違和感を覚えて有坂龍一は動きを止めた。 顔をあげ、微笑みながらこちらを見ている妻の顔を確認する。 「美百合?」 美百合は、 「うん、なあに?」 毛ほども顔色を変えずに笑っている。
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