天使の運命≪1≫

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「ごめんね。また焦がしちゃったの……」 「別にいいよ。これぐらいなら平気でしょ?」 毎朝、毎朝、焦がすトースト。 “絶対わざとでしょ?” ……なんてそんな突っ込みはしない。 だって二枚とも焦がすんだよ? 彼女の辞書に、わざとなんて言葉が存在しないことを僕は誰より知っている。 だって彼女は、そんなことを思いつく程に器用ではないから……。 僕はトーストの焦げた部分をナイフでカットすると、何もつけないで食べた。 目の前の彼女は、ピーナッツバターをたっぷりと塗って美味しそうにトーストを齧っている。 「甘くない?」 「朝、甘いものを食べると頭の働きが良くなるんだよ!」 「そう……」 僕はそれ以上言葉を発することなく、トーストを平らげた。
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