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「ねぇまだ起きないつもり? 10分前も “あと少し” って言っていたでしょ?」
「そうだっけ?」
「そう言ってたじゃない! 梛の寝坊助!! いい加減に起きなさいよねっ!!」
僕の申し出に対して彼女は冷たい目を向けると、「早く起きないと梛の朝ご飯も全部食べちゃうからね!」と止めを刺してきた。
そしてそのままドアへ向かった。
それを見逃さなかった僕は、彼女の細くしなやかな手首を掴むと力を込めた。
もちろん彼女が条件反射で振り返ることを予測していたのだ。
いつものように、首を傾げて何かを訴えかけてくる眼差しで彼女は振り向く。
そんな彼女の顔がたまんない僕は、体勢を維持しつつ、
……顔を近づけて、そっと唇を軽く重ねた。
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