天使の運命≪1≫

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やわらかいその感触。 緊張している彼女の鼓動が伝わってくる。 ……互いの存在を実感出来る至福の時だ。 人は他人に気持ちを伝える時、言葉以外で伝える術はあるのだろうか? ……そう思った時、確かで確実に伝えられる方法があることを僕は学んだ。 そう僕達は、ゆっくりゆっくりと一歩ずつ二人で歩んでいけばいい…… 急ぐ必要なんかない。 焦る必要だってない。 僕達は互いに愛し合っているのだから。 顔を赤くした彼女が部屋を出て、彼女を追いかけるように僕が部屋を出ると、寝室と違って小さなキッチンの中はとても暖かかった。
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