19人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後、今日は部活が休みのため図書室に寄って、一冊の、目に留まった本を手に取り、席に着いて開いた。
ある、恋のテクニックが書かれた本を『こんな本、学校の図書室に置いてあっていいのかな』と疑問に思いながらもページを捲る。
「何の本読んでるんすか?」
食い入るように読んでいたら、知った声が後ろから聞こえた。
同じ部活の、一学年下の男子。
「え!?あぁ……えっとね……
年下男子の落とし……方?」
嘘の吐けない私は疑問系になりながらも正直に答えた。
「はぁ?」
「しぃー、そんな大きな声出しちゃダメだよ。」
怒ったような大きな声に慌てて、自分の口に人差し指を当てて注意した。
「そんなん、もう読む必要ないっすよ。
僕、もう貴女に落ちてますから。」
今度は耳元で囁かれるように言われて、私の胸は爆発寸前。
その言葉で、私が年下男子に落とされてしまったようだ。
ニコッと微笑んで、そっと、彼が本を閉じた。
END
最初のコメントを投稿しよう!