おいてけぼり

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うねった竿。右手は慎重に、かつ大胆に巻き取っていく。 「うひゃ~!でっかいの釣れたぞ!」 陸地で暴れるその魚を、覗きこんだときだった。 「置いてけ…置いてけ…」 その声はした。 …なんだ? 「置いてけ…」 確かに声がする。 まさか…この魚が!? 僕は魚の顔を見つめた。 「ヌシ…?ここのヌシなのか?」 魚に話しかける僕。 「置いてけ…」 だが「置いてけ」の声はここからじゃなかった。 恥ずかしい…。 誰が言っているのかわからないけれど、見られていたと思うと恥ずかしかった。
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