第1章

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思い出の場所へ、久しぶりに来たけれど、そこには誰もいなかった。 気配も感じられない。 ただ……、あの頃よく座っていた位置には、本が置いてあった。 見覚えのあるその本を感慨深く思い、拾ってみると、問題なく持つことができた。 ページをめくり、1ページ、2ページと見ていく。 懐かしく思いながら読み進めてゆき、半分ほど読み終わったところで、気配を感じる。 ふと、顔を上げてそちらを見てみると驚いた表情の男性が立っていた。 そして、何か覚悟を込めた表情で口を開く。 B「……また、来たのだな」 A「来たのはアナタの方でしょう」 久しぶりの会話も、一言ずつ言葉を交わしただけだった……。
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