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家族連れや、学生のカップルで賑わう、動物園前……
みんな楽しそうに笑ったり、冗談を言ったり、じゃれ合ったりして、
僕の方を見向きもせずに、すぐ横を通り過ぎていく。
時計の前にぼーっと立ち尽くして、45分が経った。
気分はどんどん落ち込んで、
空ばかり見上げていた到着時とは打って変わり、
地面や足元ばかりに目がいってしまう。
あぁ……やっぱり僕には、いつだって考えが足りない。
流れで押し通すような強引なキス、
言葉足らずでしどろもどろな告白、
その後今日までカップルらしいことは何もできず、
挙句前日に確認もせず、当日彼女を迎えに行くこともしなかった。
嫌われて当たり前。
いじめられても当たり前。
だって僕は、いつだって……
トントン
誰かに肩を叩かれた。
そうだよね……こんな所に立ってたら邪魔だよね。
他人への考慮にも欠ける、他人様に迷惑をかける、
本当に、どこまでもダメなやつだ……
「すみません。」
そう言って、一歩横にずれた時ーー
”ごめんね 雪将くん お待たせしました”
分厚いメモ帳と、綺麗な君の字が、見えた。
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