#05 * 雪将

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「もうすぐお昼か……お腹すいたな」 その言葉を待ってましたという風に勢いよく振り返ると、 歌子さんは背負っていたリュックを手渡してきた。 ここで、本日の歌子さんのお洋服をご紹介しよう。 上は白のTシャツ。 人間の赤ちゃんがライオンの赤ちゃんを抱きながら眠っているという、 なんとも愛らしい写真がプリントされている。 下は黒のスカート。 丈は膝の少し上くらいで、ふわっと広がる柔らかさが可愛らしい。 まるでバレリーナのようだ。 靴は白×黒のボーダーのミュール。ほっそりとした白い足を、 なお美しく引き立てている。 そして忘れてはいけないのが、デニム生地のリュックサック。 受け取った瞬間ズシリと重く、 もっと早く持ってあげればよかったと後悔した。 「重っ……何が入ってるの?」 <おべんとうを つくってきたの!> 「おぉ!歌子さんの手作り……愛妻弁当……」 <?> 「いや、何でも……どこかに座って食べようか!」 <うん!> 木陰に程よいベンチテーブルを見つけて、向かい合って腰を下ろした。 小悪魔っぽい少しいじわるな上目遣いで、 歌子さんがリュックをガサガサしている。 中身はなんでしょ?♪ と言わんばかりだ。 か…かわいい…… ドスっ。 あまり可愛くない鈍い音と共に、お弁当箱が登場した。 じ…重箱、だと……
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