#05 * 雪将

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「実はその……彼女は少し変わった体質の人で……」 「体質?アレルギー体質とか、そういうこと?」 「そ、そう。そんな感じなんだ。それで、どうしたらいいものかと。」 「どうしたらって?」 「……デート、とか……」 「ははーお前。かなり思考が先走ってるな。  中坊の分際で、洒落たデートしようとか思うなよ?  そういうのは高校生になって、自分でバイトして、  自分で稼いだお金でやることなんだから。」 それも正論だけど、そういう訳にもいかないのが現実だ。 「だからと言って、高校に入るまで何もしない訳にも……」 「まぁ、それはそうだよなぁ。」 春兄は少し考えてから、さも名案と言わんばかりに声を張った。 「分かった!まずは彼女の希望を聞いて、  雪は、その理想に近づける努力をしようか。」 「彼女の希望……?」 「こっちは相手の体質をそこまで熟知してるわけじゃないんだから、  相手の方から許容範囲を提示してもらった方が、  お前も動きやすいだろう?」
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