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「じ、じゃあ、また7月30日。」
<うん>
「10時に、動物園前で。」
<うん>
終業式が終わり、歌子さんを家まで送り届けて、僕は言った。
テストも終業式も、この夏休みを迎えるためだけにある、
他愛もないプロセスの一つにしか思えなかった。
7月30日。
この日を選んだのには、理由がある。
僕と歌子さんの、記念すべき”1ヶ月記念日”だ。
とは言ってもこの1ヶ月間、
特に何か恋人らしいイベントがあったわけでもなく、
余裕しゃくしゃくな歌子さんに引けを取らないように、
僕も「えぇ、まぁ恋人と言っても、学生なんでね。」みたいな、
心にもない冷静な態度を装うのに一生懸命で、
やっと自然に接する事に慣れた頃、テスト期間に突入し、
勉強という荒波にもみくちゃされていた。
テストが終われば、休む間も無く終業式が待っているわけで、
今日、無事にこの日を迎えている。
「じ、じゃあ、また7月30日。
<うん>
「10時に、動物園前で。」
<うん たのしみに してるね>
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