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兄弟で散々ファッションショーを繰り広げた結果、
青色のグラデーションのTシャツに、黒のデニムジーンズという、
比較的シンプルかつ落ち着いた格好で、
僕は動物園前に立っている。
時刻は午前9時45分。
10時の待ち合わせに遅くもなく、早すぎもしない、
妥当なタイミングで現地に到着した。
心臓がバクバクと鼓動している。
手にはじわじわと汗がにじみ、
さほど暑くもないのに背中に水滴がしたたる。
再度、時計を確認した。時刻は午前9時46分。
時の流れとは、こんなにも遅いものだっただろうか。
落ち着くんだ。待ち合わせまではあと15分近くある。
焦っても仕方がない。
ここは男らしく、気長に待つんだ。
10時。
彼女はまだ来ない。
女の子が少し遅れて来るのは、デートの定番だ。
きっと支度に時間がかかっているのだ。
着る洋服に迷ったり、バッグやアクセサリー、髪型……
女の子の支度は、とてつもなく時間がかかるものだとアニメで見た。
10時15分。
彼女はまだ来ない。
何かトラブルがあったのかも知れない。
予想以上に雑音に苦しんでいるかもしれないし、
電車の騒音に耐えられず、どこかの駅で降りたのかも……
家に帰ってしまったかもしれないし、
そもそも今日は来ないのでは……
今更ながら、彼女の家まで迎えに行かなかったことが、
本当に悔やまれる。
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